TREK 2018年モデル 新型 Emonda SLR インプレッション

TREKの軽量オールラウンダーロードバイク「Emonda(エモンダ)」が2代目へとフルモデルチェンジ!早速この最新バイクを購入したBEX ISOYA グループマネージャーの田所にインプレッションを伺いました。
田所: 私がこの新型Emondaを知ったのは、世界同時発表の僅か10日前。トレックストアとトレックコンセプトストア向けの発表会の場でした。
新型Emondaは、全ての面において進化しており、その全容は驚くべきものでした。そして発表会の翌日には次期マイバイクとして注文していました。

◆外観
一見すると初代Emondaとそっくりですが、よく見るとトップチューブのくびれがきつくなり、シートチューブが四角張った形状になっています。ワイヤーの取り回しも変わり、すっきり納まります。ワイヤーの張り出しが少なく空気抵抗の低減にもなっているようです。その他は大きな違いは見当たらないのですが、中身はカーボンの積層もシェイプも全て見直され、完全なるフルモデルチェンジを遂げています。


◆数値
先代と比較してフレーム重量はマイナス50gの640g!新たにラインナップに加わったディスクブレーキモデルでも665gという驚異的な軽さです。剛性を示す数値は以下の表の通り軽量化されたにも関わらず、フレーム剛性は高まっているのが分かります。しかも、高剛性と相反する乗り心地の面も縦方向の振動吸収性を高めることで、良くなっています。

◆インプレッション
私が購入したのは「Emonda SLR8」。スペックは、コンポーネントはデュラエースの機械式。ブレーキは新しくなったボントレガーの「Speed Stop Pro」。ホイールはこれまた新しい「アイオロスPro 3」というミドルグレードのフルカーボンホイール。ハンドルはボントレガーのトリプルXカーボンと、充実の装備です。これで¥797,000(税別)はお買い得だと思います。先代に比べると10万円くらい価格が下がっています。
デュラエースは言うまでもなく最高のフィーリングで、アルテグラとの差をはっきり感じました。シフトの切れが違います。

ブレーキは先代のSpeed Stopが、前後で232gだったのに対し190gへと大幅に軽量化されました。デュラエースが307gなので相当軽いブレーキです。徹底的に無駄を省き、各部にチタンを使う事によってこの軽さが実現しました。問題の効きですが、標準でSWSS STOPのシューが付いており制動力に不満はありません。引きも非常に軽いですし見た目も気に入っています。ただひとつ言えば、前輪を外して車載などする時ハンドルを目一杯切ると、ブレーキがヘッドチューブにぶつかり、知らないうちに傷が付いてしまう恐れがあります。これは先代のSpeed Stopも同じで、改善されていませんでした。輪行をする場合など注意が必要です。

ホイールはフルカーボンでありながら20万円を切るグッドプライス。ベストインクラスと言って間違いないと思います。しかし、本家アイオロスD3と乗り比べてみたところ、重さと剛性にだいぶ差を感じたのでD3の30mmハイトのものにさっそく交換しました。やはり価格差の分、違いは明確にあります。
車体の重量はホイール交換前の素の状態で6.2kgでした(ペダル無し、サイズ54)。それなのでホイールをアイオロスD3にしてサドルをカーボンレールのものにすれば6kg切りもあり得ます。これは登りが大いに期待できる数値です。

メカニックの視点で言うと、現行Madoneのようなワイヤリングの複雑さが無く、メンテナンス性に優れているところに好感が持てました。専用パーツがほとんど無いので、自分の好みのパーツを付けたいという人にはお勧めです。

乗り出して最初に感じたのは乗り心地の良さです。路面の細かい段差やざらつきが丸く感じます。これはロングライド時に疲労の低減に繋がるなと思いました。 次にダンシングで加速してみると、「クイックイッ」と気持ちよく加速していきます。以前Emonda SLに乗っていたのですが、それと比べると明らかにトップスピードまで楽に早く到達します。レースで前の集団がコーナーを抜け、加速していく度に脚を使ってしまう場面がありますが、そんな時でもこのEmonda SLRなら脚を温存できる余裕が生まれると感じました。

登坂はやはりいちばん得意な所で、自分が速くなったと錯覚してしまう程です。自分はヒルクライムでのダンシングはあまり得意な方ではないのですが、新型Emondaだと気持ちよくダンシングすることができました。以前先代のEmonda SLR10に試乗した事があるのですが、(車重僅か4.65kgのスーパーバイク)正直乗りにくく感じました。軽すぎてダンシングのリズムが取りづらかった為です。新型Emondaはそこまで軽量ではないですが、どんな人が乗っても扱いやすいバイクだと思います。プロがレースで乗るトップグレードのバイクでありながら、我々一般人が乗っても快適に速く走れるのがTREKの技術力の高さだと実感しています。
高速域はやはりMadoneに一歩譲ります。Madoneなら踏めば踏むほど速度が上がっていく感じがありますが、そこは空気抵抗の差が大きいところでしょう。しかし、ホイールを50mmハイトくらいのものにすればまた違った感じになると思うので、次はアイオロス5も試してみたいと思います。
◆まとめ
今回のモデルチェンジではフレーム形状は大きな変更はありませんでしたが、中身は全くの別物です。カーボンの名称は先代のMadoneと共にデビューしたOCLV700と同じですが、当時と比べると素材と解析技術が格段に進歩しているそうです。 そして他のモデルと同様、新型EmondaもTREKのフレーム生涯保証が付帯します。 フレーム重量が600g台前半でありながら、耐荷重は125kgと十分な強度も持ち合わせています。
フレームサイズは47から60(Emonda SLR6)と7サイズの展開(プロジェクトワンは62まであり)。SLグレードは44サイズから展開しているので小柄な方や女性にも対応しているのも嬉しいところです。
詳しいインプレッションなどは店頭でお訊ねください。
BEX ISOYA 川崎
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